失われた30年の中で、日本人に深く刷り込まれた「モノは安くて当然」という感覚。この消費者意識こそが、現在の流通崩壊を招いた一因でもある。企業努力という名の間引きと搾取によって維持されてきた「安さ」は、持続不可能な砂上の楼閣だった。
海外からのインバウンド需要や円安の影響もあり、高品質な日本製品は海外へと流れていく。国内の買い手が「安さ」に固執し続ける限り、生産者は日本市場を見捨て、より高く買ってくれる海外市場へと目を向ける。皮肉なことに、安さを求め続けた結果、日本人がモノを買えなくなる時代が到来している。