2011年7月24日、日本のテレビ史が大きな節目を迎えました。半世紀以上にわたって親しまれたアナログテレビ放送が終了し、地上デジタル放送(地デジ)へと全面的に移行したのです。ブルーバックの画面に流れる終了告知は、昭和から続いた「一家に一台のテレビを囲む生活様式」の終わりを象徴していました。
この変化は単なる技術更新にとどまりませんでした。同年に登場したLINEをはじめ、Twitter(現X)などのソーシャルメディアが震災時の安否確認や情報拡散で爆発的に普及。地デジ移行とスマートフォン普及の波が重なったことで、国民の情報摂取スタイルは「受動的なマスメディア」から「能動的・双方向的なデジタル空間」へと不可逆的にシフトしていったのです。