これだけキャストの話題が盛り上がる一方で、フジテレビや所属事務所の公式発表において声優名がクレジットされることは原則としてありません。なぜ制作側は頑なに「声優非公開」の姿勢を貫き通すのでしょうか。
最大の理由は、ガチャピンが「南の島で生まれた恐竜の男の子(5歳)」というひとりの生命体として実在しているという厳格な世界観設定にあります。これは東京ディズニーリゾートのミッキーマウスや、サンリオのハローキティが「声優の名前を公表しない」のとまったく同じ演出哲学です。もしテレビのテロップに「ガチャピン:〇〇(声優名)」と表記してしまえば、子どもたちにとっての夢は一瞬で「大人が演じている着ぐるみ劇」へと還元されてしまいます。
フジテレビの歴代プロデューサー陣は、このファンタジーを一貫して守り抜くことを最優先してきました。インタビュー取材やバラエティ出演時であっても、ガチャピンはあくまでガチャピン自身として応答します。非公表という方針は、昭和から令和に至るまでキャラクターの生命を尊重し続ける制作陣の「プロとしての矜持」にほかなりません。