若くして左膝の大怪我に見舞われ、絶望の淵に立たされた小野伸二。リハビリの日々は想像を絶する苦難の連続だった。日本サッカー協会(JFA)の期待、世間からの過剰な注目、そして思うように動かない自身の体。精神的にも追い詰められる局面で、野川千恵子さんは常に笑顔で寄り添い、家庭を安らぎの場へと整え続けた。
2001年にオランダの名門フェイエノールトへ移籍した際も、言葉や文化の壁に怯むことなく渡欧。慣れない海外生活のなかで栄養バランスを考慮した食事を準備し、夫がプレーだけに集中できる環境を作り上げた。その成果は、2002年のUEFAカップ優勝という快挙結実する。FIFAワールドカップの舞台に3大会連続で挑んだ夫の足元には、常に妻の細やかな配慮と献身的なサポートが存在していたのだ。