2013年にリリースされた青山恵のファーストアルバム『空。』は、彼女の音色に対する美学が結実した金字塔的作品である。全10曲で構成されたこのCDは、単なる楽曲集の枠を超え、音による心理的アプローチを意図して制作された。
倍音成分が引き出す生理的リラクゼーション
ハープの弦が振動する際に生じる不規則かつ豊かな倍音(オーバートーン)は、人間の脳波をα波へと導く作用を持つとされる。『空。』に収録された透明感溢れるサウンドは、心身の緊張を解きほぐし、ストレス低減や自律神経の調整に貢献する音楽的セラピーとしての側面を持つ。
試聴体験をデザインする楽曲構成
アルバムの全10曲は、静寂から始まり、徐々に情緒的な広がりを見せる綿密なプログラミングが施されている。クラシックの名曲アレンジからオリジナルの情緒を漂わせるトラックまで、聴き手は自ずと音の波に身をゆだねることになる。