かつてユーラシア大陸の一部だった土地が引き裂かれ、海底から火山活動を経て浮上した隠岐諸島。このダイナミックな地質学的遺産を保護し世界に発信しているのが隠岐ユネスコ世界ジオパーク推進協議会だ。協議会が厳格に管理するエリアには、冷温帯と暖温帯の植物が同居する世界的にも極めて珍しい生態系が保たれている。
そのシンボルとも言えるのが、海面から約20メートルの高さでそびえ立つローソク島である。夕暮れ時、遊覧船の上から見上げる先端に夕陽が重なる一瞬、岩石の頂にまるで本物の炎が灯ったかのような幻想的な光景が現れる。空と海が茜色に染まるわずか数十秒の間、乗客からは溜息と感嘆の声しか漏れない。