ここで、シリーズの根幹を築いてきた主要なau三太郎のCMキャスト一覧を整理します。それぞれがどのようなプロフィールと経歴を持ち、作中でいかなるインパクトを残したのか、詳細な比較データとともに検証します。
かぐや姫:有村架純が見せた「清純派」からの脱皮
有村架純が演じるかぐや姫の初登場シーンは、広告史に残る鮮烈さでした。それまでNHK連続テレビ小説『あまちゃん』などで培った「おとなしく儚げな美少女」というパブリックイメージを自ら粉砕するかのように、桃太郎(松田翔太)に対して「鬼退治? 行くわけないじゃん」「あたしと鬼、どっちが大事なの?」とまくし立てる関西弁のリアルな妻ぶりを披露しました。この配役の妙が、視聴者に「このCMは一筋縄ではいかない」と強烈に印象付けたのです。
乙姫:菜々緒が切り開いた唯一無二の「ドSコメディ」
竜宮城の主として君臨する乙姫。菜々緒のトレードマークである完璧なプロポーションと切れ長の瞳から放たれる「毎度あり〜!」「調子乗ってんじゃねぇよ!」というドスを利かせた怒声は、単なるコワモテではなく、浦島太郎(桐谷健太)の情けなさと絶妙なコントラストを生み出しました。特番インタビューなどで本人が「あの役を演じることで自分の殻を完全に破ることができた」と回顧した通り、彼女のパブリックイメージをポジティブな方向へ決定づけた瞬間でした。
織姫:川栄李奈が証明した圧倒的コメディセンス
2017年に突如として空から降ってきた織姫(通称・織ちゃん)。川栄李奈が演じるこのキャラクターは、それまでの時代劇調の言葉遣いを完全に無視した「超現代的なタメ口ギャル」でした。金太郎(濱田岳)を「カネちゃん」と呼び、パパ活ならぬ自由気ままな振る舞いで翻弄する演技は、彼女の持つ天性の反射神経とリズム感を遺憾なく発揮させました。アイドルから本格派女優へと脱皮する上で、このCMが果たした役割は計り知れません。
親指姫:池田エライザが演じた「最年少の母親」という実験
かぐや姫、乙姫、織姫の「三姉妹の母親」として2019年に登場したのが池田エライザ演じる親指姫です。実年齢では娘たちを演じる有村・菜々緒・川栄よりも年下である彼女を母親役に据えるというキャスティングは、SNSを中心に「どういう家族構成なんだ」「設定がぶっ飛びすぎている」と大きな話題を呼びました。さらに、劇中で披露されたCM楽曲の圧倒的な歌唱力は、彼女のミュージシャンとしての認知を一気に全国区へと押し上げました。