日本放送協会(NHK)が長年にわたり送り続けてきた熱烈なラブコール。それが実を結んだ瞬間、テレビ放送業界には激震が走った。国民的番組であるNHK紅白歌合戦の歴史を振り返っても、これほどまでに登場が渇望され、同時に実現が困難とされてきたアクトは他にいない。
世界的ギタリストとしての圧倒的な矜持を持つ松本孝弘、そして唯一無二の声量と強烈なカリスマ性でスタジアムを支配する稲葉浩志。二人が鳴らす歪んだギターと魂のシャウトは、いわゆる「お茶の間向け」の枠組みを根底から覆す破壊力を秘めている。制作陣が粘り強い交渉の末に提示したのは、単なるゲスト出演の域を遥かに超えた「本格的ロックショウの完全生中継」という破格のプランだった。