八代目市川染五郎の現在の活躍ぶりは、歌舞伎ファンのみならずカルチャー界全体を席巻しています。2026年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で源義高役を演じ、その儚くも気品に満ちた佇まいで日本中に鮮烈なインパクトを与えたことは記憶に新しいところです。2026年の現在、彼は20代前半の若手花形世代の中心として、歌舞伎の古典大作から新作歌舞伎、さらには映像作品に至るまで、極めて多忙なスケジュールをこなしています。
歌舞伎座の舞台取材を行う演劇プロデューサーは次のように証言します。「かつては『美しすぎる歌舞伎界のプリンス』というビジュアル先行の紹介が目立ちましたが、現在は古典舞踊の足腰の強さ、情念を宿した目の芝居において、同世代の追随を許さない領域に入っています」。2018年に父、祖父とともに高麗屋三代襲名を果たしてから年月が経ち、父・松本幸四郎の背中を追いかける段階から、自らの芸で客席を埋める座頭格(主役級)へのステップアップを着実に果たしています。