清水依与吏が結婚の事実を公にしたのは、2018年11月16日のことでした。写真週刊誌『FRIDAY』(講談社)によって妻子とともに生活する様子がスクープされたことを受け、同日、公式ファンクラブサイトおよび公式サイトにて直筆メッセージとともに結婚を正式発表しました。さらに、同バンドのベース担当である小島和也も一般女性との入籍を同時に発表するという、ロックバンドとしては極めて異例の「W結婚発表」となり、世間に大きなインパクトを与えました。
ファンの間で最も注目されたのは、「なぜこれまで入籍や子どもの誕生を伏せていたのか」という点です。清水依与吏自身がファンに向けて発信したコメントの中で、その理由は極めて明確かつプロフェッショナルな言葉で語られていました。
「back numberというバンドにおいて、自分自身の生活感やプライベートな事情が表に出ることで、リスナーが楽曲の主人公に感情移入しづらくなるのではないか」という強い懸念を抱いていたためです。失恋の痛みや片思いの切なさを歌う楽曲が多いback numberにとって、歌い手の私生活が見えることは、曲の世界観を曇らせるノイズになりかねません。彼が沈黙を守っていたのは保身ではなく、「リスナーに曲を純粋に受け取ってほしい」という徹底した表現者としての美学によるものでした。