この楽曲が多くのリスナー、とりわけ男性の共感を強く集める理由は、主人公の「かっこ悪さ」や「情けなさ」を一切取り繕わずに描き切っている点にあります。
お酒の力を借りて引き止めたいと願いながらも、相手に嫌われることを極度に恐れる自意識。「終電、まだ大丈夫?」と聞かれたときに咄嗟についてしまう曖昧な相槌や、相手が自分をどう思っているのかを測りかねて踏み出せない臆病さ。歌詞の中で展開されるモノローグは、まさに片想い中の男性が抱くリアルな心理葛藤そのものです。
「引き止めたいけれど、都合のいい男や軽薄な男だとは思われたくない」「でも今夜を逃したら次はいつ会えるかわからない」という相反する感情。清純ぶるわけでもなく、かといって大胆にもなれない青年特有のピュアで不器用な自意識が、聴く人の過去の後悔や淡い記憶を容赦なく揺さぶります。