日本を代表する演奏家であり指導者でもある吉澤実氏は、教育現場における楽器の音程精度について度々その重要性を指摘してきた。標準的な学用品として定評のあるヤマハ株式会社やトヤマ楽器製造株式会社が製造するリコーダーは、緻密な音律設計のもとでピッチ(音高)が厳格に管理されている。
一方、低価格品における最大の落とし穴は、オクターブ間の音程バランスの崩れにある。低い「ド」から高い「ド」へ移行した際、ピッチが大きくズレてしまう個体が散見されるのだ。児童が正しい指使いと息のコントロールを行っても音が合わない場合、子ども自身が「自分の演奏が悪い」と錯覚してしまう恐れがある。これこそが、音楽教育の現場で安易な製品使用を避けるべき最大の理由といえる。