ネット上やSNSでは、柏崎刈羽原発の再稼働に関して極端な言説が散見されます。実態とのギャップを正しく整理しておく必要があります。
誤解1:「柏崎刈羽が動けば首都圏の電気料金が劇的に半減する」
原発が再稼働すれば、高価なLNG(液化天然ガス)や石炭の火力発電焚き減らし効果により、東電の燃料費調整額が押し下げられるのは事実です。東電の試算でも1基の稼働で年間約1,000億円規模の収支改善効果が見込まれます。しかし、これらは巨額の安全対策投資(数千億円規模)の回収や、福島第一原発の廃炉・賠償費用(年数千億円の負担)に充当される比率が高く、家庭や企業の電気代が即座に「半額」になるような非現実的な値下げは起こり得ません。
誤解2:「原子力規制委員会が認可したのだから知事に拒絶権はない」
法制度上、原子炉等規制法に基づき規制委が安全性を認めた場合、知事に法的な稼働差し止め権限が明記されているわけではありません。しかし、東京電力と新潟県および地元自治体との間には安全協定が結ばれており、事前了解なしに燃料装荷や運転開始を強行することは事実上不可能です。安全協定を無視して強行稼働に踏み切れば、地域社会との信頼関係は完全に崩壊し、東電の事業基盤そのものが破綻します。