白バスとは、国土交通大臣からの許可を受けず、自家用自動車(白地に緑文字のいわゆる「白ナンバー」車)やレンタカーを使って、有償で乗客を運送する行為、およびその車両を指す通称です。日本の現行法において、自動車を用いて人を運んで対価を得る行為は厳格に規制されており、無許可での営業は極めて重い処罰の対象となります。
白タクとの違いは「運送の形態と定員規模」
同じく違法な旅客運送として耳にする「白タク(白タクシー)」と「白バス」は、法的にはどちらも道路運送法違反(無許可営業)という同じ根幹を持ちますが、対象となる事業形態が異なります。 * 白タク:一般乗用旅客自動車運送事業の無許可営業。個人の乗用車(乗車定員10人以下)を用い、駅や空港、繁華街で個別に乗客を拾い、タクシー代わりに運賃を収受する形態。 * 白バス:一般貸切旅客自動車運送事業や一般乗合旅客自動車運送事業の無許可営業。マイクロバスや大型ワンボックス(乗車定員11人以上など)、あるいは中型・大型バスを用い、団体客や特定のグループをチャーター形式、もしくはツアー形式で有償輸送する形態。 白バスは一度に運ぶ人数が多いため、事故が発生した際の被害規模が甚大になりやすく、社会的な影響が極めて深刻化しやすい特徴があります。
なぜ白ナンバーの有料営業は違法なのか?道路運送法の趣旨
日本で人を乗せて運賃を得る事業を行う場合、道路運送法に基づき国土交通大臣の許可を受けなければなりません。路線バスであれば「一般乗合旅客自動車運送事業」、観光バスや送迎バスの貸切であれば「一般貸切旅客自動車運送事業」の許可が必須です。 道路運送法がこのような厳しい許可制を敷いている理由は、利用者の安全確保に他なりません。人の命を預かって公道を走る事業である以上、車両のメンテナンス水準、運行管理者による過労運転の防止、アルコール検知器を用いた厳格な点呼、そして万が一に備えた十分な賠償能力の確保が不可欠だからです。白バスはこれらのコストや義務をすべて逃れて営業しているため、法秩序を乱すだけでなく、乗客の命を直接的な危険に晒すことになります。 罰則も極めて重く規定されています。国の許可を受けずに営業を行った場合、道路運送法第4条違反として「3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金」が科され、悪質な事案では両方が併科されます。運転手個人だけでなく、そうした車両を手配・運行させた事業者や仲介組織にも警察の捜査と刑事責任が及びます。