多くの人が「渋谷のギャルが発祥」と想像しがちだが、この言葉の歴史をさかのぼると、元来はクラブカルチャーやレゲエ、ヒップホップ・音楽用語として誕生した経緯がある。重低音が身体を揺らす瞬間の快感や、フロア全体を包み込む独特の「空気の振動」を指す隠語としてマイク越しに叫ばれていたのが始まりだ。
アメリカやジャマイカの音楽現場で使われていた「good vibes」や「positive vibes」といったフランクな英語表現が、日本のストリートシーンに輸入された。単に気分が良いという状態を示す「テンション」とは異なり、自分と相手の波長が合致しているか、その場の空気にグルーヴが生まれているかという「見えない波長」を言語化した点に、この言葉の本質がある。