Unicode 12.0で正式策定され、日常のチャットツールに標準実装されて以降、白いハートは利用者の間独自で複雑な意味論を発達させてきました。国際的な絵文字の標準定義では、白いハートは「純粋な愛情(Pure Love)」「平和」「揺るぎない友情」を表す普遍的なシンボルと位置づけられています。濁りのない白という色彩が、利害を超えた清潔な想いを想起させるためです。
しかし、日本のローカルなコミュニケーション環境、とりわけLINEやInstagramの文脈では、この「純粋性」が逆転したニュアンスを帯びることが報道機関やネットカルチャーの調査でも判明しています。すなわち、「情熱的な好意(赤色)」を意図的に脱色させた「好意はあるが、恋愛関係としての踏み込みは避けるシグナル」、いわゆる友達止まりの予防線としての機能です。
大手ライフスタイルメディアやソーシャルリスニング各社の分析によると、白いハートを受け取った人の約4割が「好意があるのか、単なる社交辞令なのか判断に迷う」と回答しています。送り手は「重くなりすぎない親しみやすさ」を演出したつもりでも、受け手側にとっては「赤いハートをもらえない寂しさ」や「脈なしの遠回しな宣告」と映るケースがあり、この温度差こそが白いハートの謎を生み出す主因となっています。