事態が動いたのは今春のことだ。阪急うめだ本店や阪神梅田本店での買い物で、積算買い上げ金額に応じて最大10%のSポイントが還元される従来の基本システムに、新たなデジタルインセンティブが組み込まれた。
これまで年間利用額に応じて翌年の還元率が決まる仕組みだったが、今回の改定によりアプリ連携と連動した月次判定システムが導入された。毎月一定額以上の利用で、即座に翌月の還元率がスキップアップする。ヘビーユーザーには朗報だが、年数回の利用に留まっていたライト層にとっては、高還元率を維持するハードルが上がった格好だ。
「買い物の頻度が高い顧客を徹底的に優遇する舵切りだ」。流通アナリストの橘勝利氏はそう指摘する。単なる割引カードからの脱却。それが阪急阪神側の真の狙いと見られている。