時の流れは残酷だ。震災を全く知らない世代が日本の人口の多くを占めるようになり、当時の記憶は確実に薄れつつある。そこで重要になるのが、現地で活動する語り部たちの存在だ。実際に淡路島で被災し、九死に一生を得た人々が、自身の体験を語り継いでいる。
彼らの言葉には、教科書には載っていない「生」のディテールがある。地震が起きた瞬間の音、暗闇の中での怒鳴り声、水が出ない生活の過酷さ。生き残ったからこそ伝えられる言葉の重みが、聞き手の心を揺さぶる。記憶の風化に抗う彼らの活動は、次の災害で救われる命の数に直結している。