「漢方薬は長く飲み続けないと効かない」というイメージを持たれがちですが、半夏厚朴湯に関しては症状の性質によって即効性と持続性の二相性が存在します。
心身医学の臨床現場や処方実態の分析によると、喉のつかえ感や胸の圧迫感といった急性期の緊張性症状に対しては、服用開始から数日〜2週間以内に「喉の詰まりが軽くなった」「呼吸がしやすくなった」と自覚するケースが多く報告されています。緊張によって一時的に固くなっていた咽喉部の筋肉が緩み、気の巡りが改善するためです。
一方で、長期にわたるストレスから生じた自律神経失調症、慢性的な不安障害、抑うつ気分などの体質改善を目的とする場合、自律神経系や内分泌系のリズムが再構築されるまでには約4週間〜2ヶ月程度の継続的な服用が必要とされます。
一般用医薬品の添付文書においても、「1ヶ月位(咽喉頭・食道の異物感、急性胃腸炎に服用する場合には5〜6日間、つわりに服用する場合には5〜6日間)服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、医師や薬剤師に相談すること」と明記されています。まずは1〜2週間を目安に症状の変化を観察し、全く変化がない場合は漫然と飲み続けず、専門医の診断を仰ぐのが適切なアプローチです。