宝登山神社を訪れたなら、山麓の社殿への参拝にとどまらず、標高497メートルの山頂付近に鎮座する「奥宮(おくのみや)」へ足を伸ばすのが理想的な参拝順路です。日本武尊が神籬(ひもろぎ)を設けて神々を祀った最初の鎮座地と伝わり、古の山岳信仰の気配が今なお濃厚に漂っています。
鬱蒼とした木々に囲まれた奥宮の境内には、静謐で引き締まった空気が流れています。社殿前には一般的な狛犬ではなく、日本武尊を山火事から救ったとされる神犬(オオカミ/山犬)の石像が阿吽の姿で鎮座し、鋭い眼光で神域を護持しています。
奥宮の社務所では、山頂限定の授与品や御朱印を受けることができます。毎月1日と15日、および春・秋の例祭などの特定期日には特別な神事が執り行われ、タイミングが合えば神職による祝詞奏上や祈祷の場に立ち会えることもあります。澄み切った山上から秩父連山を眼下に望むロケーションは、日常の喧騒を忘れさせてくれる爽快感に溢れています。