激戦の幕開けは、まさに静と動の対比だった。4選を目指した山本龍氏は、与党系の強固な組織力と12年の実績を前面に押し出し、盤石の布陣で臨んでいた。市内の経済団体や重鎮議員がスクラムを組む姿は、これまでの選挙戦で見慣れた光景そのもの。しかし、その足元で有権者の意識は確実に変化していた。
対する小川氏は、政党色を極力排した「市民党」スタイルを徹底。商店街の片隅や住宅街の辻立ちで、市民の生活実感に寄り添う言葉を愚直に紡ぎ続けた。組織の動員力に頼る山本陣営と、個人の共感を積み上げる小川陣営。対話の深度をめぐる静かなつばぜり合いが、市内の至るところで繰り広げられた。