自社保有から撤退した企業は、福利厚生そのものを放棄したわけではありません。代わって市場の覇権を握ったのが、福利厚生のアウトソーシングサービスです。
代表格である福利厚生代行サービスのリログループや、業界大手のベネフィットステーションの提携宿泊施設を活用する企業が急増しています。企業は従業員1人あたり月数百円〜千数百円程度の会費を支払うだけで、全国数万件規模のホテルや旅館、レジャー施設を割引価格で社員に提供できるようになりました。
この業態転換は、企業と従業員の双方に明確な保養所・福利厚生のメリットをもたらしています。企業側は巨額の固定資産や修繕リスクを抱えずに済み、従業員側は「自社の特定の保養所」という制約から解放され、全国のホテルから好みの旅先を自由に選べるようになりました。形を変えながらも、余暇を格安で充実させる保養機能は、現代のデジタルプラットフォームへと受け継がれています。