北海道の幻飲料タングロンはなぜ消えた?販売終了の真相と復刻の現在

北海道の幻飲料タングロンはなぜ消えた?販売終了の真相と復刻の現在

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タングロンの最大の特徴は、一般的な清涼飲料水とは一線を画すその独創的な原材料設計にありました。商品名の由来ともなった「タング(Tang=昆布・海藻)」の名の通り、主原料には北海道産昆布から抽出したエキスがふんだんに使用されていました。これにリンゴ果汁、酵素、ビタミンC、ブドウ糖などを黄金比率でブレンドし、昆布特有のミネラルやフコイダンを美味しく摂取できる「保健飲料」として誕生したのです。

「昆布味のジュース」と聞くと一見して生臭さを想像しがちですが、実際に口にするとそのイメージは心地よく裏切られます。リンゴ果汁のフルーティーな甘酸っぱさが前面に出ており、昆布エキスは後味に深いコクとまろやかさを与える隠し味として機能していました。酸味と甘みのバランスが絶妙で、乳酸菌飲料にも似たスッキリとした爽快感があったため、子どもでも抵抗なくゴクゴクと飲むことができました。

この栄養価の高さと飲みやすさに着目したのが、道内の教育現場でした。特に発祥の地である芦別市をはじめ、滝川市や岩見沢市などの空知管内、さらには札幌市近郊の小中学校において、タングロンは学校給食の定番ドリンクとして定期的に配膳されました。「給食にタングロンが出る日はテンションが上がった」「ストローを紙パックの角に挿すのが楽しみだった」という思い出は、多くの道産子にとって幼少期の原風景そのものとなっています。北海道のご当地ドリンクの歴史を語る上で、タングロンは単なる地域限定品を超え、世代をつなぐ文化的アイコンだったと言えます。

佐藤 大輔
著者

佐藤 大輔

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