福井の商業を語る上で、絶対に外せない存在がある。全米チアダンス選手権での優勝劇でも知られる福井県立福井商業高等学校、通称「福商」だ。同校が長年実施してきた実践的商業教育「福商ショップ」は、いまや単なる学園祭の延長ではない。生徒たちが地元の伝統工芸品メーカーとタッグを組み、自ら商品開発からマーケティング、販売までを一貫して手がけるベンチャー事業へと深化を遂げている。
2026年度から始まった「高校生ローカルスタートアップ育成プログラム」では、生徒が考案した越前和紙のアパレル小物が大手百貨店のポップアップストアに採用された。教室で学んだ損益計算書(P/L)の知識を、即座にリアルな店舗運営で試す。彼らの青臭くも尖った感性が、停滞しがちだった地元の老舗経営者たちに強烈な刺激を与えているのは紛れもない事実だ。