家庭でタコキムチを作る際、最大の壁となるのがタコ特有の臭みと余計な水分だ。水気が残ったままヤンニョムと和えてしまうと、味がボヤけ、日持ちもしない悲惨な結果を招く。本場のプロが実践する生臭さ解消の最大の鍵、それは「塩もみ」の徹底と「粗糖(または水飴)」による浸透圧の利用である。
ボウルに入れたタコに塩と小麦粉を揉み込み、ぬめりと汚れを完全に洗い流す。ここまでは知られた手法だが、旨味を極限まで引き出すプロの隠し味こそが「いわしの魚醬(メルチエッカ)」と「すりおろしリンゴ」、そして隠れ主役である「イカの塩辛の汁」だ。魚醬の強いアミノ酸とリンゴの発酵酵素がタコの身を引き締めつつ、奥深いコクを付与する。少量のイワシ魚醬を加えるだけで、まるで長期間熟成させたかのような深みが一瞬で生まれるのだ。