社会全体で推し進められてきた「働き方改革」は、制度の導入期を経て完全に定着期へと移った。いまや労働基準法を守っていることなど「ホワイト企業」の条件ですらない。それは単なる最低限の法令遵守(コンプライアンス)に過ぎないからだ。
現代のビジネスパーソンが企業に求めるのは、単に「楽ができる環境」ではない。心身の健康を損なわずに長く働き続けられる安定性と、個人の能力を最大限に発揮できる柔軟性の両立である。フルリモートやフレックスタイム制といった柔軟な働き方が定着する一方で、管理が追いつかず放置される「野放し型の放置ブラック」や、業務量が削減されないまま残業代だけが削られる「隠れサービス残業」など、新たな労働問題も表面化している。
こうした状況下で問われているのは、建前ではなく「実質的な運用体制」だ。見せかけの制度に惑わされず、実際の現場でどのような就労スタイルが許容されているかを見抜くことこそが、現代における評価軸の中心と言える。