建物の構造によっても、床の耐荷重リスクと現れる症状は異なります。戸建ての木造住宅と鉄筋コンクリート(RC)造のマンションでは、注意すべきポイントが大きく分かれます。
木造住宅の場合、床は「根太(ねだ)」や「大引き(おおびき)」と呼ばれる木製の骨組みで支えられています。特に築年数が経過した木造住宅では、経年劣化や湿気による木材の強度低下が起きていることが多く、重量制限に対する耐久力が落ちています。また、木造2階以上の居室は1階に比べて床を支える柱や壁の直下支持が少ない場合があり、より慎重な重量配分が求められます。
一方、RC造のマンションは床スラブがコンクリートで造られているため、建物全体の構造強度は木造より格段に高めです。しかし、近年のマンションの多くは防音や配管のためにスラブの上に空間を設ける「二重床工法」を採用しています。支柱脚と合板で浮かせた二重床構造の場合、コンクリート本体は無事でも、パーチクルボードなどの下地材が局所的な重さに耐えきれず、床面が沈み込むケースが散見されます。
床が完全に底抜けする前には、必ず以下のような明確な前兆が現れます。
- 本棚の周辺を歩くと床がギシギシ、ミシミシと異音を立てる
- 本棚が部屋の内側に向かってわずかに傾いてきている
- 部屋のドアやクローゼットの建具が引っかかり、開閉しづらくなる
- 巾木(壁と床の境目にある部材)と床の間に不自然な隙間ができている
- 床に置いたボールやペンが本棚の方向へ転がる
特に賃貸物件の場合、床のたわみを放置して下地まで損傷させると、退去時に高額な原状回復費用を請求されるリスクが生じます。床の異変に気づいた段階で、速やかに荷重を減らすなどの対処が必要です。