鬼の絶対的支配者である鬼舞辻無惨は、基本的に鬼同士が群れることを嫌う。反乱や情報の漏洩を防ぐためだ。しかし、累だけは例外的に「家族」という集団を作ることを許されていた。この事実からも、無惨が累に対して抱いていた奇妙な「お気に入り」ぶりがうかがえる。
累の持つ「満たされない渇望」は、無惨にとっても興味深いものだったのかもしれない。あるいは、自らの意志で動く手駒として、その歪んだ精神性が都合が良かったのだろうか。いずれにせよ、下弦の鬼が次々と粛清される中で、累が築いた独自のテリトリーは、十二鬼月の中でも極めて特異なケースだった。