無法地帯のように語られがちな大黒だが、長年通い詰める古参オーナーたちの間には厳格な「暗黙のルール」が存在する。空吹かしの禁止、ゴミの持ち帰り、大型トラック専用スペースへの不法侵入の自制、そして警察による退去命令には即座に笑顔で従うこと。カルチャーを存続させるため、自浄作用を働かせようとするコミュニティの努力も確かに存在する。
同時に、この場所は日本の自動車カスタマイズ・アフターマーケットの最前線を示すショーケースでもある。旧車のレストモッドから最新のワイドボディキット、さらには精緻なECUセッティングまで、熟練工が手がけるパーツと技術のクオリティは世界随一だ。職人技が光る精巧なアフターパーツで武装した車両たちは、単なる移動手段を超えた「走る芸術品」として評価されている。
だが、一部の「SNS映え」だけを目的に迷惑行為を繰り返す新参者や悪質なギャラリーの存在が、長年培われてきたコミュニティの均衡を脅かしているのもまた事実だ。