メディア環境の劇的な変化も、このジャンルの爆発的な成長を後押ししている。ABEMAをはじめとするインターネットテレビ局は、声優専門の帯番組やオリジナル生放送を日常的に供給し、従来の深夜ラジオが担っていたファンとの親密なコミュニティをデジタル空間に再構築した。リアルタイムのコメント機能や双方向の企画は、演者の素顔やアドリブ力をダイレクトに伝え、熱狂的なファン層を瞬時に形成する。
一方で、Netflixをはじめとするグローバル配信サービスによるアニメの同時世界配信は、ファンダムの規模を一気に地球規模へと拡張した。東京で開催される単独公演に北米、欧州、アジア各国からファンが押し寄せる光景は、今や珍しくもない。
声優業界全体が内需依存から脱却し、最初から国境を越えたカルチャーとして発信される現在、プラットフォームのアルゴリズムに乗って一夜にして世界的なスターが誕生する土壌が整っている。