『あさが来た』のドラマ構造において、波瑠演じるヒロイン・あさと玉木宏演じる新次郎が「陽」の夫婦であるならば、宮﨑あおい演じるはつと柄本佑演じる惣兵衛はまさに「陰から光を見出す」もう一つの主役夫婦でした。
登場人物の相関図を紐解くと、惣兵衛の立ち位置がいかに過酷であったかが分かります。名門の重圧、厳しい母・菊との確執、そして時代の波による没落。そのすべての苦悩を受け止め、静かに寄り添い続けたのが妻のはつでした。
宮﨑あおいと柄本佑が織りなす夫婦の空気感は、言葉数の少なさを補って余りある情緒を湛えていました。和歌山でみかんを収穫しながら交わす視線、互いの手を握りしめる所作の一つひとつに、幾多の苦難を共に乗り越えてきた夫婦の歴史が刻まれていました。惣兵衛の最期のシーンに至るまで、二人が紡いだ夫婦愛は朝ドラ屈指の名場面として多くの視聴者の記憶に深く刻まれています。