氷点下15度の煙に呑まれる悦楽:2026年、旅慣れた大人がオホーツクの街・北見へ食い倒れに向かう理由

氷点下15度の煙に呑まれる悦楽:2026年、旅慣れた大人がオホーツクの街・北見へ食い倒れに向かう理由

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北見の食の根底を支えているのは、間違いなくタマネギである。日本国内で生産されるタマネギの約2割を占めるこの街の畑は、日照時間の長さと昼夜の激しい寒暖差によって、糖度の高い玉ねぎを育てる。地元の人々は、これを単なる薬味や脇役として扱わない。

最近では、この基幹作物を現代的なアプローチで再解釈する若手シェフやクラフトカルチャーの動きが目覚ましい。日本初のクラフトビール醸造所として名高い「オホーツクビール」では、地元産の麦芽と玉ねぎのエキスを使った限定エールを仕込み、ほのかなカラメル香と麦の苦味を両立させている。

丸ごとローストして芯のとろける甘みを引き出したタマネギ料理や、スパイスと玉ねぎの水分だけで煮込んだ無水カレーなど、素材の力に頼り切った潔い料理を出すバルも増えた。華美な装飾を削ぎ落とし、大地の力をそのまま皿に乗せる──それが北見の新しい潮流だ。

松本 悠斗
著者

松本 悠斗

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。