集英社の『週刊少年ジャンプ』黄金期において、本作のような容赦のない動物同士の血戦を描くことは、ひとつの挑戦だったと言える。少年漫画においてマスコット的な立ち位置になりがちだった動物キャラクターに対し、荒木飛呂彦は一切の容赦を与えなかった。
足を千切られ、冷気で細胞を破壊されながらも、イギーは決して屈しない。人間のために戦うのではなく、「ナメられたくない」「ただ生きてここを出る」という純粋なエゴイズムが、物語を驚くほどハードボイルドに仕立て上げている。残酷さと気高さが同居するこの独特の美学は、近年のモダンホラーやダーク・ファンタジー作品のクリエイターたちにも多大な影響を与え続けている。