今回のブームを単なる「懐かしさ」だけで片付けることはできない。市場関係者が指摘するのは、デジタル疲れを起こした世代による「触感への回帰」と「所有欲の再評価」だ。スマホの画面上で画像を保存するだけでは味わえない、物理的にコレクションを整理・鑑賞する手応えが求められている。
さらに、物価高が続く社会情勢において「100円(税込110円)で得られる極上の没頭体験」という圧倒的なコストパフォーマンスも無視できない。1枚ずつ丁寧にお気に入りのシールをシートに貼り替え、自分だけの図鑑を作り上げる作業は、現代人にとって一種のマインドフルネスとして機能している側面もある。
加えて、イラストレーターやクリエイターが手掛ける個人制作品、ガチャガチャ(カプセルトイ)で入手したステッカーなど、集める対象が多角化したことも後押しした。集めた大切なコレクションを傷つけずに保管し、いつでも眺められる専用の「居場所」としてシール帳が必要不可欠になっているのだ。