『Blessing』が爆発的な支持を獲得した背景には、初音ミクをはじめとするVOCALOID6名による原曲と、当時ネットシーンの最前線を走っていた男性・女性の歌い手13名が集結した「Singers ver.」がほぼ同時期に提示された点にあります。それぞれのパート割り(歌割り)は、ボーカルの音域やキャラクターの特性、声質が計算し尽くされており、リレー形式でバトンを渡していく構成が聴き手に強烈なドラマ性を感じさせます。
ボカロ版における歌割り一覧を見ると、Aメロの初音ミクから始まり、鏡音リン・レン、巡音ルカ、KAITO、MEIKOへと綺麗に声質がリレーされます。一方、歌い手版(Singers ver.)では、that氏、みーちゃん氏、ぽこた氏、けったろ氏、koma'n氏、clear氏、nero氏、Gero氏、コゲ犬氏、ASK氏、amu氏、赤飯氏、ピコ氏など、当時のニコニコ動画を牽引していた錚々たるメンバーが参加しました。
歌い手版の最大の魅力は、原曲の正確なピッチ感に対して、各シンガーのしゃくりや感情の揺らぎ、ビブラートといった人間味がダイレクトに上乗せされている点です。特に大サビ前、全員が声を重ねていくクレッシェンドの展開は、まさに人間が声を合わせる合唱の根源的な歓びを体現しています。