小説で見せる鋭利で官能的な作風とは対照的に、千早茜のエッセイはユーモアと食への偏愛に満ちており、熱狂的なファンを獲得しています。
なかでも人気を博しているのが、『わるい食べもの』に始まる食エッセイのシリーズです。「深夜のカップ麺」「背徳的な脂っこい料理」「旅先での異常な食への執着」など、行儀の良いグルメ本とは一線を画す飾らない筆致で、人間味あふれる一面を披露しています。
小説の執筆裏話や日常の些細なこだわり、友人たちとの賑やかなやり取りがテンポよく綴られており、読めば猛烈にお腹が空くと同時に、作家・千早茜という人物のチャーミングさに心を掴まれるはずです。小説の重厚な読書体験の合間に読む箸休めとしても非常に適しています。