電動ハンドミキサーがない環境でも、物理特性を味方につければ短時間で完璧な泡立てが可能です。手動で手早く泡立てるコツは、泡立て器の持ち方と動かし方にあります。手首のスナップを利かせ、ボウルの底をこするように前後へ直線的に高速往復運動させます。円を描くように回すと遠心力で空気が巻き込みにくくなるため、直線的な往復運動で効率よく空気を抱き込ませるのがポイントです。
さらに現場で絶賛されている裏ワザが、冷凍卵白を活用した泡立て法です。卵白を密閉容器やラップに包んであらかじめ冷凍庫で凍らせておき、使用する直前に半解凍(シャリシャリとしたシャーベット状)にします。冷凍によってタンパク質の結合が一度破壊(部分変性)されるため、泡立ちを阻害する強いコシがほぐれ、手動のホイッパーでもわずか2〜3分で均一かつ濃密な泡を立ち上げることができます。
冷えた状態の卵白は気泡の立ち上がりこそやや緩やかですが、一度形成された気泡は非常に細かく、熱にも強い強靭な組織へと仕上がります。特に夏場の室温が高い環境下では、卵白を氷水に当てながら作業するか、この冷凍テクニックを用いるのが最も安全で再現性の高い手法です。