彼の原点を語る上で、AAA(音楽グループ)での華々しい活動と、SKY-HIとしての泥臭い現場叩き上げの二重生活は切り離せない。メジャーの第一線で巨大なファンダムを熱狂させる一方、ヒップホップコミュニティからは当初「アイドルの余技」と色眼鏡で見られる悔しさを味わった。だが彼は逃げなかった。数々のMCバトルや客演で卓越したラップスキルと即興力を叩きつけ、アンダーグラウンドのプロップスを実力一本で強奪していったのだ。
メジャーとアングラ、ポップネスとコアなカルチャー。相反する二つの世界を誰よりも深く知る彼だからこそ、既存の音楽シーンが抱える歪な構造とクリエイターへの不条理に誰よりも早く気づいていた。「才能を殺さないための場所を作る」。その強烈な危機感こそが、後の大躍進を支える原動力となった。