学術的に九州の言葉を整理すると、大きく3つのブロックに分かれる。方言学や言語学の視点から見ると、地理的条件と歴史的背景が見事にリンクしていることがわかる。
第一のグループは、福岡・佐賀・長崎・熊本にまたがる「肥筑方言」だ。形容詞の語尾が「〜か」(例:暑い→あつか)に変化するカ語尾や、疑問の「〜と?」などが特徴で、九州で最も聞き馴染みのあるスタイルと言える。第二の「豊日方言」は、大分や宮崎、福岡東部で話される言葉である。ここでは語尾に「〜ちゃ」が多用され、中国地方や四国方言からの影響を感じさせる、どこかのんびりとした温かみのある響きを持つ。そして第三が、鹿児島と宮崎南部を覆う「薩隅方言」だ。音韻の変化が激しく、独自の二型アクセントを保持するなど、極めて孤立度の高い独自の言語体系を築いている。