イモリ水槽レイアウトを構築する際、最も重要なのは「飼育するイモリの種に応じた環境設計」です。日本で流通する代表種であるアカハライモリとシリケンイモリでは、自生地の生態系が大きく異なります。日本改良イモリ研究所の知見やフィールド観察記録が示す通り、両者の行動パターンに合わせた比率設計が生存率を左右します。
本州・四国・九州の水田や小川に生息するアカハライモリ水槽レイアウトでは、完全な水中生活に適応した時期が長いため、「水場7:陸地3」の比率が黄金バランスです。水深は10〜15cm程度を確保し、のびのびと泳ぎ回れるスペースを作ったうえで、呼吸や休息のために確実に上がれるスロープ付きの陸地を設けます。浅すぎる水深は急激な水温上昇や水質悪化を招くため、十分な水量を維持することが長期飼育の鉄則です。
一方、奄美大島や沖縄諸島の森林・草地に生息するシリケンイモリ飼育ケージでは、樹上や湿った落ち葉の下を好む陸生傾向が非常に強くなります。そのため、設計比率は「水場4:陸地6」または「水場3:陸地7」へと陸地寄りにシフトさせる必要があります。水深も5cm前後の浅瀬にとどめ、全身が浸かれる水たまりスペースと、広々とした湿潤な陸場を確保するのが理想的です。