ネット上の質問掲示板やSNSでは「完全独学で不動産鑑定士に受かるか」という疑問が頻繁に交わされています。結論から言えば、短答式試験は独学でも突破可能ですが、論文式試験の完全独学は極めて無謀というのが現場の一致した見解です。
大手予備校が公開している合格体験記や、複数年受験生の告白を検証すると、独学の限界点が見えてきます。
「市販本で短答式には1回で合格できた。しかし論文式では、自分の書いた答案がなぜ点数に結びつかないのか分からず、3年連続で不合格通知を受け取った。予備校の答練を受け始め、採点官が求める論理の接続やキーワードの配点基準を理解した途端、翌年に合格できた」(30代・合格者手記より)
論文式試験には公の採点基準や模範解答の詳細が公表されません。そのため、独学者自身の主観による自己採点はあてにならず、独りよがりな論述を何年も続けてしまう「過年度生トラップ」に陥りがちです。
現在、合格者の大半はTACまたはLEC(東京リーガルマインド)のいずれかの大手予備校を利用しています。出題予想論点を網羅した答練(答案練習会)を通じて、他者から客観的な添削を受け、合格答案の「型」を身につけることが合格への最短ルートです。独学で時間を浪費する機会損失を考えれば、予備校の受講料(約30万〜50万円前後)は必要経費と捉えるのが合理的です。