全国に同名の滝が数多くあるなかで、国の名勝指定を受け「日本の滝百選」にも選出されている代表格が、岩手県八幡平市高畑に位置する不動の滝です。高さ約15メートル、幅約6メートルの岩肌を滑り落ちる滝水は、分岐しながら流れる優美さと、岩盤を叩きつける力強さを兼ね備えています。
八幡平の不動の滝が特別な評価を受ける最大の理由は、滝単体の美しさに留まらず、周囲を取り囲む樹齢数百年の老杉や広葉樹の原生林と完全に調和している点にあります。環境省の選定基準においても、清澄な水質と自然景観の保存状態が極めて高く評価されました。
滝壺のすぐそばまで遊歩道が整備されており、飛沫が霧となって降り注ぐマイナスイオン空間を間近で体感できます。春の雪解けによる豪快な瀑布、初夏の瑞々しい新緑、秋の錦秋絵巻、そして真冬に見られる氷瀑と、訪れる季節ごとに全く異なる表情を見せてくれるのも不動の滝の大きな魅力です。