簿価とは「帳簿価額(ちょうぼかがく)」の略称であり、会計帳簿に記載されている資産・負債・純資産の評価額を指します。企業の財務状態を示す「貸借対照表(B/S)」に計上される金額そのものであり、日々の記帳や決算手続きを通じて変動していきます。
実務初心者が最初につまずきやすいのが、「取得原価」「簿価」「時価」の3者の違いです。これらはすべて資産の値段を表す言葉ですが、指し示す視点とタイミングが根本から異なります。
まず、取得原価と簿価の違いを整理すると、取得原価は「その資産を購入した際に支払った対価(手数料等の付随費用を含む)」という確定した過去の支出額です。これに対して簿価は、取得原価から後述する減価償却費などを差し引き、決算時点で帳簿上に残っている現在の評価額を指します。購入初年度の取得日時点では「取得原価=簿価」ですが、時間が経過するにつれて簿価は減少していきます。
次に、簿価と時価の違いです。簿価が「帳簿上の理論的な数字」であるのに対し、時価は「いま市場で売却したらいくらになるか」という市場実勢価格を意味します。例えば、1億円で購入した土地の簿価は原則として1億円のまま据え置かれますが、地価が高騰して2億円で売れる状態であれば、時価は2億円となります。この差額(+1億円)が「含み益」であり、逆に地価が下落した場合は「含み損」となります。