主食である米が店頭から消失した背景には、単一の理由ではなく、複数の構造的トラブルが同時多発的に絡み合った現実がある。前年の酷暑によって玄米の品質等級が下がり、精米時の歩留まりが著しく悪化していたことが供給の基礎体力を削っていた。そこへ消費者の防衛本能による買い占め行動が拍車をかけた。
特に食料品小売業の現場では、仕入れ価格の急上昇と在庫不足に頭を抱える事態となった。卸業者からの供給が止まり、特売の目玉商品だった5キロ袋のパッケージは店頭から一瞬で姿を消した。消費者の不安は加速し、需要と供給のバランスは完全に崩壊したのである。