ドイツ北西部に位置するブレーメン市は、現在もこの童話を街の誇りとして大切にしています。市庁舎の西側には彫刻家ゲルハルト・マルクスによって1953年に制作されたロバ・犬・猫・オンドリが重なり合うブロンズ像が設置されており、世界中から観光客が訪れる人気スポットです。
この銅像のロバの両前足を両手で握りながら願い事をすると願いが叶うという言い伝えがあります。片手だけで足を触ると「ロバとロバが握手している(馬鹿同士が挨拶している)」と笑われてしまうため、必ず両手でしっかりと前足を握るのが現地の作法です。
絵本で作品の魅力を追体験するなら、スイスの画家ハンス・フィッシャーが描いた『ブレーメンのおんがくたい』(福音館書店)が筆頭に挙げられます。動物たちの生き生きとした表情とクラシカルな筆致が際立つ名作です。また、躍動感あふれる色彩で読者を引き込むスズキコージ画のバージョンなど、作家ごとの解釈を見比べるのも絵本選びの醍醐味と言えます。