「残業が多すぎて退職したけれど、会社都合扱いにできるのか」という疑問に対する明確な答えは「条件を満たせば確実に可能」です。行政の公的基準において、一定基準を超える時間外労働は「労働者の責に帰さないやむを得ない離職理由」と規定されています。
雇用保険法において、倒産や解雇による離職者と同様の保護を受ける区分を「特定受給資格者」と呼びます。長時間残業を理由に特定受給資格者として認定されるための基準は、厚生労働省の規定によって次の3つのいずれかに該当する場合と明確に定められています。
① 離職直前1ヶ月に100時間を超える時間外・休日労働を行った場合
退職直前の1ヶ月間に残業と休日出勤の合計が100時間を超えていた場合、単月のみの実績であっても過労死ライン基準に基づき会社都合相当と判定されます。突発的な繁忙やトラブル対応で急激に業務量が増加したケースが典型です。
② 離職直前2ヶ月間から6ヶ月間のうち、連続する2ヶ月以上の期間で「月平均80時間を超える」時間外・休日労働を行った場合
2ヶ月から6ヶ月の期間において、いずれか2ヶ月の平均残業時間が80時間を超えている場合です。例えば直近2ヶ月が「75時間・86時間」であれば平均80.5時間となり、基準をクリアします。
③ 離職直前3ヶ月連続して「月45時間を超える」時間外・休日労働を行った場合
3ヶ月にわたって毎月45時間を超える残業が続いていたケースです。特別条項付き36協定の限度基準(月45時間)を恒常的に超えている状態が対象となり、極端な深夜残業に至っていなくても適用されます。