CBR400Fをベースとした族車・旧車會仕様は、時代とともに洗練と先鋭化を繰り返してきました。そのスタイルを象徴する主要な構成要素には、明確な機能美と様式美が存在します。
フロントセクションを飾る「ロケットカウル(イノウエ、コミネ、デュアルカウル等)」は、本来レーシングマシン由来のエアロパーツですが、ストリートでは高く掲げた「ブチ上げ」スタイルや、低く構えた「カフェレーサースタイル」など多彩にアレンジされます。リアには背もたれを高く伸ばした「三段シート」が鎮座し、車体全体の流れるような美しいシルエットを決定づけます。
現在では、1980年代当時に流通していた「当時物パーツ」の希少性が極めて高く評価されています。BEET(日本ビート工業)製のテールカウルやサイドカバー、ポイントカバー、RPM(レーシングプロジェクト村山)の通称「P管」、ダイシンレーシングのアルミマフラー、紀の国屋のエキゾーストパイプなど、保存状態の良い当時物パーツ単体だけで数十万円の値がつくケースも珍しくありません。当時の空気感を現代に蘇らせる「タイムカプセル」としての美学が、このカスタム文化の底流に息づいています。