生き別れの兄弟が再び手を取り合うまでには、実に四半世紀以上の歳月を要した。思春期の佳長が父に会いたいと事務所を訪ねた際、秘書によって門前払いを食らったという悲痛なエピソードも残されている。血を分けた親子でありながら、政治という冷徹な世界がそれを阻んでいた。
転機が訪れたのは2008年。父・小泉純一郎の政界引退だった。重い政治の重圧から解放された父は「家のことは子どもたちに任せる」と言い残し、長男・孝太郎が中心となって兄弟の接触を試みた。2010年末、27年という果てしない空白を経て、ついに3人の兄弟が対面を果たす。
居酒屋の個室で顔を合わせた瞬間、わだかまりは一瞬で氷解した。「よく頑張ってきたな」。兄たちがかけた温かい言葉に、佳長の瞳からは大粒の涙がこぼれ落ちた。後日開かれた食事会では、父・純一郎も同席し、三男の肩を抱いて男泣きしたと伝えられている。