カジカは見た目こそゴツゴツして無骨ですが、白身は非常に上品で甘みがあり、川魚特有の泥臭さが一切ありません。古くから全国各地の渓流沿いで「最も美味な川魚」として珍重されてきました。
カジカの旬は晩秋から冬(11月〜2月頃)です。特に産卵を控えて卵を抱えたメスや、冷たい清流で身が締まった冬場のカジカは極上の味わいを誇ります。
代表的な食べ方と郷土料理には、次のようなものがあります。
① 鰍汁(カジカ汁)/鍋壊し(なべこわし)
北海道や東北・北陸地方で愛される名物料理です。カジカのアラや身から驚くほど濃厚で上品な極上の出汁が出るため、「あまりの美味さに箸が止まらず、底をつつきすぎて鍋を壊してしまう」ということから「鍋壊し」という強烈な異名が付けられました。味噌仕立ての汁に季節の根菜と合わせると、身体の芯から温まる絶品鍋になります。
② カジカの骨酒(こつざけ)
素焼きにしてじっくり水分を飛ばしたカジカに、熱々に沸かした辛口の日本酒を注ぐ「骨酒」は、呑兵衛の間でイワナ以上の極上品として知られています。カジカの香ばしい皮と骨から黄金色の旨味が酒に溶け出し、格別の香りと深いコクが楽しめます。
③ 塩焼き・唐揚げ・甘露煮
小ぶりのカジカは、丸ごとじっくり炭火で焼き上げる塩焼きや、パリッと揚げた唐揚げが定番です。頭から尾びれまで余すところなく食べられ、サクサクとした食感とともに豊かな旨味が口いっぱいに広がります。金沢などでは佃煮や甘露煮「ゴリ料理」の一角としても親しまれています。