お亀の湯のもう一つの決定的な強みは、手付かずの山岳景観を借景にしたダイナミックな露天風呂です。男女週替わり制で運用されている「木の浴室」と「石の浴室」は、それぞれ全く異なる意匠と魅力を持っています。
曽爾村を象徴する国の天然記念物「兜岳(かぶとだけ)」と「鎧岳(よろいだけ)」の勇壮な岩肌を正面から見上げるなら、「木の浴室」が群を抜いています。浴槽の縁や東屋に上質な木材が惜しみなく使われており、木の優しいぬくもりと立ち上る湯けむり、そして雄大な山並みのコントラストが視覚的な癒しを極限まで高めてくれます。
一方の「石の浴室」は、野趣あふれる自然石を豪快に組み上げた重厚な空間設計が特徴です。こちらには巨石を配した野趣豊かな大露天風呂に加え、加水・加温を極力抑えた「源泉風呂」が設置されており、お亀の湯本来の濃密な泉質をダイレクトに堪能したい愛好家からは石の浴室を狙って再訪する声が目立ちます。
施設名称の由来は、曽爾高原の「亀山」と、かつて長者の一人娘「お亀」にまつわる悲恋の美人伝説が残るひょうたん型の「お亀池」から名付けられました。伝説が息づく静謐な山間部で、遠く鳥のさえずりと風の音だけが響く環境は、都市型スーパー銭湯では到底得られない深い没入感を提供してくれます。